複雑痔瘻になったハナシ 入院編

0日目

三食病院食を食べ、夜21時に下剤を飲む。

明日からいよいよ入院か…こわい。

これからしばらく外にでられなくなるので何処かに行きたいと言ったら、近所の観光スポットに連れて行ってくれた。どうしてもソフトクリームが食べたかったので食べた。

美味しかった…。こういうなんでもない日常がどんだけ奇跡的で幸福なことか思い知る。退院したら色んなところにいこうと決意する。

帰りに神社に行きお参りをする。前厄のお祓いはしていないが、お祓いをしてもしなくても今回のことにはなっていたと思う。

人生最大の毒出し。ありがとうと感謝する。

死ぬようなものじゃなくてほんとによかった。

ここで一度毒を出してこれからの生き方を変える。私に必要な経験だったのだなと解釈。

 

1日目

8:30までに病院に来るように指示されていたので6:30に起きた。通勤ラッシュで道が混んでいてギリギリに着く。

入院の手続きの後病室へ。部屋は4人部屋の入り口側のため窓がなく外が何も見えない。

大腸の検査の為、お尻に穴の空いたパンツに着替え、塩みたいな水を2時間かけて飲む。これが美味しくない…ポカリみたいじゃん?って言われたけど、美味しくない塩水だと思う。便の色が透明になるまでひたすら飲む。毎回看護師さんに便を確認してもらうのが恥ずかしかった。結局透明にはならなかったがokがでた。

その後浣腸。家でやるような浣腸とは比べ物にならないくらいでかいやつをぶち込まれる。気分が悪くなった。塩水をひたすら飲み続けるのより浣腸の方が辛かった。

 

カメラ検査は痛くないと聞いていたが、内臓にボコボコカメラが当たって痛い。もうやりたくない。その後撮ってもらった写真を見ながら先生から説明を受ける。確実にクーロン病であるとは言えないという結論。これを申請?にだしてクローン病という判定はでないねみたいなことを言われた。良かった…でも普通の状態ではないらしい。腸炎みたいなやつ。いやほんとクローン病じゃなくてよかった。ありがとう。

 

母親はずっと側にいてくれた。本当にステキな母である。感謝して泣いた。その日はそのまま就寝。

 

2日目

手術日。午後からのためドキドキしながら待つ。9時以降は水も飲むなといわれ、辛かった…。水飲みたい…とひたすら言っていた。

家族が朝10時から18時まで付き添ってくれた。家族のありがたみを感じる。本当に感謝で涙が止まらない。私は一人じゃなかった。一人だったら耐えられないと思った。

 

手術は朦朧としていてあまり覚えていないが、1時間半もかかった。麻酔が痛かった。手術前に嵐の歌をかけてくれて気分が少しましになったのは良かった。ありがとう嵐…。

 

手術が終わり、ベッドのまま病室に戻る。これテレビドラマでよく見るやつじゃん〜〜と思いながらぼんやり横にいる家族を見てた。

使う麻酔の量が少ない先生みたいで足は痺れているがうつらうつら話せる。

家族は、土気色の肌、白い唇に見ていられなかったと泣いていた。(らしい)

 

腰の骨の間から麻酔を入れているせいか腰が重くてそのままベッドに沈みそうだった。

今晩はベッドから立ち上がらないように言われる。(立ち上がれそうもない。)

水を9時間ぶりに飲んだけど美味しかった。水を好きな時に好きな量飲めることってこんなにしあわせなことだったんだな…。

 

夜トイレに行きたくなったのでベッドですることになったが、でない…出したいのにでない…膀胱炎になった時と似てる。結局カテーテルを入れてもらう。スルスル入っていくのがこわいし、痛かった。でも注射みたいな痛みじゃない。痛みの種類が違う。

 

3日目

早朝トイレに行きたくなり、カテーテルにする?と言われたが痛いので、自力で頑張りますと宣言。ベッドですることになったが今回はなんとかでた。お前ならできると念じながらお腹に力を込めたらちょろちょろ〜〜とでた。しかも長い、笑。自力でおしっこができることがこんなに幸せなことなのかよ?!と感動。

 

どんな手術をしたのかよくわかないが全然痛くない。先生の腕がいいんだろうな…結局痛み止めは一錠しか飲んでない。

 

朝立ち上がることを許されたがあまりに腰が痛い…これは絶対麻酔のせい…つらい。

 

この日はさっそく抜糸があった。めちゃくちゃ痛かった。泣いた。手術の比ではない。

傷口を綿棒でぐりぐり抉られるの痛い(これが毎日の一大イベントになる)

 

4〜6日目

絶食が辛い。点滴を毎日2リットル。針を刺してる腕が痛くなる。暇つぶしをいろいろ持ってきていたけどする気が起きない。毎日先生がガーゼの付け替えに来るのが痛いだけでそれ以外は痛くないのが救い。先生は切開の穴にぐりぐり綿棒を突っ込み薬を塗りこむので本当に痛いのだが、これが嫌な故に早く治そうという気持ちになる。先生には本当感謝。自分でこれをやれと言われたらこわくてできない…。

そして腰は痛い。

 

しばらく食べていないのに、5日目に茶色の汁が大量にでた。うんちの匂いではないし塊もない。これが宿便なのかわからないが私は毒出しがきた〜〜!!!!と大歓喜。絶食のおかげだね。食事に余計なエネルギーをとられないから、腸が動き出したんだと思った。実際お腹がずっとぎゅるぎゅる唸っていた。腸のお掃除をしてたんだろうな…。びっくりするくらい音してたし。

 

点滴は3日後に針の差し替えがあるのだが、血管が細く6回くらい刺された痛かった…。手の甲は痛いと知ってたので絶対嫌だと言ったら、右手の二の腕にすることになった。腕を折り曲げると点滴に良くないので携帯も満足に触れない。

 

先生から許可が出ないので頭だけシャンプーしてもらう。腰を低くして頭をさげてたら点滴が逆流した。血が点滴の管に入ってるの見るとビビる。逆流はよくあることらしい。

 

7日目

ご飯が始まる。重湯だけなのかと思ったら、おかずもあった。こんなに食べていいの?とびっくり。

おかずは、豆腐と野菜を煮たもの。お吸い物の出汁が美味しい…。本当に最高の食事だった。

重湯は美味しいという人と飲めたものじゃないという意見を聞いていた。

初めて飲んだけど美味しい。コメの栄養成分が溶けでてる〜〜という感じ。私はむしろ米粒より汁だけ飲みたいと思った。米粒って重くない?

病院食ってまずいって聞いてたけどまったく違った。私の味覚が敏感になってるだけかもしれないけど…いやでも味薄くないし、出汁もちゃんととってあるし、美味しい。ひたすら美味しい。

食事のありがたみをひしひしと感じた。

血液検査の結果がよかったのか、点滴がなくなった。針が抜け自由になった開放感が最高。

風呂も自由に入れる。